
多様性の精神と相いれぬ能力主義/「再開発のため」排除される弱者
気鋭の経済思想家、斎藤幸平さん(34)が現場を歩き、新しい社会のあり方を探る連載。今回は1年の延期をへて7月23日に開幕した東京オリンピックがテーマだ。メイン会場の国立競技場周辺を歩くと、そこには人知れず住み慣れた場を追われた人々の生活があった。五輪を筆頭とするメガイベント=*=は誰のために、何のために行われ、感動や熱狂の陰で何が失われているのか、考えた。
ついに東京オリンピックが開幕した。高校までサッカーをしていたし、スポーツ観戦は嫌いじゃない。けれども、新型コロナウイルスの感染拡大、医療現場への負担増、開会式担当者らのいじめ加害や人権軽視による辞任・解任劇、中止になった知り合いの音楽イベント――、こうしたことを思うと素直に開会式を楽しむことができなかった。それ以上に、その2日前、東京都新宿区の国立競技場周辺を訪れた時に聞いた菊池浩一さん(89)…
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